「第一回デジタルショートアワード」受賞作品発表、観客を最も魅了した600秒作品は?

600sechonsen.jpg 惜しまれつつも2005年の開催をもって休止した「東京国際ファンタスティック映画祭」。その精神は06年発足の「東京国際シネシティフェスティバル」に引き継がれたが、同映画祭の人気企画「デジタルショートアワード『600秒』」が「第一回デジタルショートアワード」として単独開催され、3月29日にオールナイトで本選が行われた。約150本の応募作品の中から総合グランプリに輝いたのは、永野宗典監督(劇団「ヨーロッパ企画」)の作品「黄金」。粘土のキャラクターによるクレイアニメ作品で、見事、賞金100万円と副賞の「カップヌードル」1年分を獲得した。

 プロを目指す映像クリエイターたちの発表の場として始まった「デジタルショートアワード『600秒』」。応募作品の条件は600秒=10分きっかりのデジタル映像作品であることで、エンドロールを含めて1秒の過不足も認められない。初の単独開催となった「第一回デジタルショートアワード」では約150作品の応募があり、同賞の提案者であるいとうせいこう氏や「転々」「時効警察」などで知られる三木聡監督のほか、箭内道彦氏(風とロック代表)、春名慶氏(映画プロデューサー/ショウゲート代表取締役社長)、蔵本憲昭氏(映画プロデューサー/電通エンタテインメント事業局)、石原仁美氏(映画プロデューサー/アスミック・エース エンタテインメント株式会社)が審査を担当した。

 「笑い」「泣き」「驚き」の3部門各5作品、計15作品がノミネートされた本選では、「笑い」部門でモッカモッカ監督の「秘仏」、「驚き」部門で岡村裕太監督の「TOKYO STREET」がグランプリを受賞。観客投票も含む審査で「泣き」部門グランプリの「黄金」が総合グランプリを獲得した。

 総合グランプリに輝いた永野監督は次回作が翌年のデジタルショートアワード開催時における招待作品(秒数問わず)となるほか、劇場映画化やソニー・ミュージック所属アーティストのプロモーションビデオ制作など、才能に合わせた新規プロジェクトも発足するとのことで、永野監督の今後の活躍が期待される。

[第一回デジタルショートアワード 結果]
◆総合グランプリ
「黄金」 永野宗典監督
◆各部門グランプリ
【笑い】
「秘仏」 モッカモッカ監督
【泣き】
「黄金」 永野宗典監督
【驚き】
「TOKYO STREET」 岡村裕太監督



第一回デジタルショートアワード