国民生活センター、「ケータイ端末の水濡れによる不具合」に注意を呼びかけ

mizunure_keitai001.jpg 日々の生活の中で、ケータイ端末が水の危険にさらされることは意外と多い。突然の降雨、テーブルに置かれたコップの転倒、トイレや風呂での落下などなど。最近は生活防水機能を備えた端末も増えてきてはいるが、大半の端末は依然として「水に弱い精密機器」の域を脱していないため、「水濡れ」を原因とする故障・不具合が後を絶たないのが現状だ。国民生活センターにはそうしたケータイ端末の「水濡れ」に関する苦情が多数寄せられていることから、どのような使用条件下で、どの程度の不具合が発生するのかを同センターがテストを実施。結果を公表した。

 国民生活センターには、「水濡れ」に関する苦情が最近5年間で1,013件も寄せられている。こうした苦情には大きく2つの問題点があり、1つは「消費者は水濡れをするような使い方はしていないのに、携帯電話事業者から携帯電話機の不具合の原因が水濡れと指摘される」こと、もう1つは「携帯電話機に付けられている水濡れ判定シールが変色していない場合でも、水濡れと判断されることがある」こと。いずれも利用者の感覚とケータイ事業者の説明が乖離しているケースが目立つという。

 そのため国民生活センターは、利用者に「水濡れ」に関する情報提供をする目的で、さまざまな環境での再現テストを行った。テストの内容は次のとおり。

◎国民生活センターによる「水濡れ」テスト
[雨の中で繰り返し使用した]
ディスプレイが消えボタン操作に反応しなくなって使用不能となったものがあった。分解して内部を調べると、水が浸入した痕跡が確認できた。

[濡れた手で繰り返し操作した]
正常に起動せず使用不能になるものや、ボタン操作に反応しなくなるなどして一時使用不能になるのがあった。水濡れ判定シールを確認すると、パターンが滲んでいたものがあった。

[周囲が高温高湿であったり温度や湿度が急に大きく変わった]
防水機能がない銘柄の中ではボタン操作に反応しなくなって使用不能となったものがあった。また、水濡れ判定シールが滲んだものがあった。

[水没させた]
ほとんどの端末に様々な不具合が生じ、使用不能になったものがあった。また、防水機能がない端末すべてで水濡れ判定シールが滲んだ。

 このように、「濡れた手で繰り返し操作した」や「周囲が高温高湿」といったことで、端末が故障してしまう場合もあるという。明らかに水に濡れた記憶がなくとも、ケータイ事業者が「水漏れ」と判定することがあるのは、こうしたケースも考えられるからなのだろう。

 いずれにしても、ケータイは「水に弱い精密機器」。壊れないように、「水濡れ」には十分に気を付けたいものだ。