米誌「史上最高の破壊的コメディアン」発表、1位はあの副大統領候補

28comedians.jpg 「笑い」は生活に潤いを与えてくれるほか、近年は医学的な効果を指摘する研究結果も出ている。まさに「笑う門には福来る」だ。そうした笑いを提供してくれるコメディアンについて米誌エンターテイメント・ウイークリーがランキングを行ったところ、映画「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」などで知られるサシャ・バロン・コーエンを抑え、なぜか米共和党の副大統領候補のサラ・ペイリン・アラスカ州知事が1位に選ばれた。

 「史上最高の破壊的コメディアン28人(28 Most Subversive Comedians of All Time)」と題されたこのランキングは、「ボラット~」や「ボブ・ディランの頭のなか」を手がけたラリー・チャールズ監督が選定したもの。1位に選んだペイリン知事について、同監督は「うかつさにかけては、現代を代表する破壊的な風刺家であるかもしれない。パディ・チャエイエフスキー(コメディ映画の脚本家)があのキャラクターを映画にしたら、あなたはフィクションだと思うだろう」「その(コメディアンとしての)実力は、アーノルド・シュワルツェネッガーやジェシー・ベンチュラをしのぐほどだ」としている。

 2位はサーシャ・バロン・コーエン、3位はビル・マー、4位はラリー・デービッドとコメディアンが並んだが、5位にはミュージシャンのボブ・ディランがランクインした。映画の撮影でボブ・ディランと接した同監督は、「こんなシュールな映画では、誰もわれわれの意図を理解してくれないね」とのぼやきに、ボブ・ディランが「誤解されることがそんなに悪いことかい?」と答えたエピソードを紹介し、その「頭の中」を絶賛している。ミュージシャンではビートルズとフランク・ザッパもそれぞれ16、21位に選ばれた。

 このほか、「トム・ソーヤの冒険」で知られる作家マーク・トウェイン(8位)、アニメ「スポンジ・ボブ」を手がけたジョン・クリクファルシ(12位)、アニメ「サウスパーク」を手がけたトレイ・パーカー&マット・ストーン(13位)、映画「華氏911」などで知られるマイケル・ムーア監督(14位)、おバカ雑誌ナショナル・ランプーン(23位)などさまざまなジャンルの人物・雑誌が選ばれており、コメディユニットのモンティ・パイソン(17位)やチャールズ・チャップリン監督(28位)を含めてコメディアンは28組中11組にとどまった。

[史上最高の破壊的コメディアン28人]
1位 サラ・ペイリン(米アラスカ州知事、共和党副大統領候補)
2位 サシャ・バロン・コーエン(コメディアン)
3位 ビル・マー(コメディアン)
4位 ラリー・デービッド(コメディアン)
5位 ボブ・ディラン(ミュージシャン)
6位 ジョージ・カーラン(コメディアン)
7位 パディ・チャエイエフスキー(脚本家)
8位 マーク・トウェイン(作家)
9位 ジョナサン・スウィフト(18世紀の風刺作家)
10位 サム・キニソン(コメディアン)
11位 フィリップ・ロス(作家)
12位 ジョン・クリクファルシ(アニメクリエーター)
13位 トレイ・パーカー&マット・ストーン(アニメクリエーター)
14位 マイケル・ムーア(映画監督)
15位 ハーベイ・カーツマン&ウィリアム・ゲインズ(マッド誌創刊者)
16位 ビートルズ(ロックバンド)
17位 モンティ・パイソン(コメディユニット)
18位 アンドリュー・ダイス・クレイ(コメディアン)
19位 ノーマン・レア(コメディ俳優)
20位 マイケル・オドノヒュー(脚本家)
21位 フランク・ザッパ(ミュージシャン)
22位 ジョン・ウォーターズ(映画監督)
23位 ナショナル・ランプーン誌(おバカ雑誌)
24位 ルイス・ブニュエル(映画監督)
25位 ロバート・クラム(漫画家)
26位 アンディ・カウフマン(コメディアン)
27位 レニー・ブルース(コメディアン)
28位 チャールズ・チャップリン(映画監督、俳優)



28 Most Subversive Comedians of All Time-英文-